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【月刊新聞】ものづくりレビューに掲載されました

株式会社 FJ コンポジットが、「ものづくりレビュー」第125号(2025年8月25日号)で取り上げられました。内容は、ユキワ精工製「スーパーG1チャック」を導入したことで開発案件が量産フェーズに進展したストーリーです。
ものづくりレビューとは
(株)ものづくりレビューとは、工作機械や切削工具などの情報提供している月刊新聞社です。
これら生産財の最新動向や特徴について、国内・海外(アジアが中心)が取り上げられることが多いです。
自動車や家電製品などの消費財とは違い、一般の人には直接、目に触れる機会の少ない分野ですが、生産財に備わる可能性について、理解を深めることができます。
(引用:https://monodukuri-review.com/outline.html)
記事の要約


- 会社紹介
FJコンポジットは2002年に静岡県富士市で創業し、2015年には北海道千歳市に移転。異種素材を溶かさず接合する「拡散接合」技術により、セラミックと銅を組み合わせた S-DBC 基板を開発し、EV向けパワー半導体などに活用されています。 - グローバルな展開
取引先は30~40社。売上の約9割が海外で、特に韓国が約8割を占めています。不慮の災害に備える大型蓄電池向けの双極板の量産も、年末から本格化予定です。 - 内製による試作体制
試作や金型製作を自社で完結可能。ワイヤ放電加工機やフライス(ブラザー スピーディオ、ファナック ロボドリル)を活用して試験・開発を進めています。 - 加工精度の改善と設備導入
半年前、セラミック接合銅材の転造タップ加工で、下穴径のバラつきに悩んでいたところ、ユキワ精工の「スーパーG1チャック」が紹介され、テストしたところたった1発で0.01 mmの安定加工を成功。 - 成果と今後の展望
この精度向上により、年間14万穴の加工受注体制が整う見込み。現在はスーパーG1チャックを4本使用中で、量産開始に向けて追加導入やマシニングセンタの増強を検討中。工具寿命のさらなる改善にも期待が高まっています。
補足ポイント
- 技術力と差別化:複合材料の開発力をコアに、独自性の高い製品展開。
- 市場適応力:海外を含むグローバルな販売基盤と、大型蓄電池向け製品の量産体制。
- 内製と改善力:自社加工による改善スピードと品質保持、先端設備の活用と検証意欲。
製造知識を深めるには、まず加工技術を!
私は日ごろ機械設計業務をしていますが、加工知識の重要性を毎日のように実感します。
加工技術は「現場の人が知っていれば十分」と思われがちです。しかし実際には、設計者はもちろん、組立やオペレーター、生産管理、営業、経営層など製造業に関わるすべての人にとっても、加工の理解は大きな武器になります。
ものづくりの力は、一人の専門性だけでなく、全員が同じ土台を持つことで最大化します。加工知識は「現場を理解し、正しい判断をするための共通言語」であり、加工を知ることで“ものづくり全体の精度”が一段と高まります。
製造業では外注や下請けに頼る流れが強まっていますが、加工を知らないままでは設計も経営も弱くなります。設計者が加工を理解していなければ「削れない設計」や「コストの合わない設計」が増えますし、内製での試作や検証ができなければ、技術の勘や改善力が社内に残りません。
もちろん外注は悪ではありません。むしろパートナーとしての強みも大きい。ただし、社内に加工を理解できる人材と環境があるかどうかが、日本の製造業の未来を分けると感じています。
ぜひ皆さん、ものづくりレビューを読んで加工を学んでみてください!
今後、年を重ねても、この考えを忘れずに開発を続けていきたいと思います。(ドラマ・半沢直樹のネジ工場を彷彿させるマインド)
