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【受賞】S-DBCがベストペーパー賞

弊社が参画するGo-Techプロジェクトの研究成果が、第35回マイクロエレクトロニクスシンポジウム(MES2025)にてベストペーパー賞を受賞しました。
MES2025とは

マイクロエレクトロニクスシンポジウム(MES)は、半導体・電子部品の実装技術分野における国内最大級の学術発表の場です。2025年9月3日〜5日に開催された第35回では、全国から多くの研究者・技術者が集まり、最先端の研究成果が発表されました。
著者:大阪大学 巽裕章先生

今回の受賞論文の筆頭著者は、大阪大学接合科学研究所 微細接合学分野の巽裕章先生です。
巽先生は、金属とセラミックスの接合界面という、ナノメートル単位の極めて微細な世界を研究されている方です。「なぜくっつくのか」「どうすればもっと強くくっつくのか」を、計算科学と実験の両面から追い続けてきた研究者です。
弊社とのご縁は、Go-Techプロジェクトを通じたものでした。以来3年間、S-DBCの接合技術をともに深く掘り下げてきました。今回の受賞は、先生の真摯な研究姿勢と、たゆまぬ探究心の結晶だと思っています。
巽先生、本当におめでとうございます。
どんな研究?
論文のタイトルは、「Cu–Si₃N₄絶縁基板の接合界面評価」。
要は「銅とセラミックスを、いかに強く・確実にくっつけるか」という研究です。
FJコンポジットのS-DBCが凄い理由を解明します。

電気自動車や省エネ家電の心臓部には「パワー半導体」と呼ばれる部品があります。その部品が発する熱を逃がすために、銅とセラミックスを貼り合わせた「絶縁回路基板」が使われています。ここで重要なのが、接合界面の品質。剥がれたら、終わりです。
ついに、S-DBC法の接合技術が解明!
この研究では、まずコンピュータシミュレーション(第一原理計算) で、接合に最も適した材料を予測しました。
候補はチタン(Ti)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)の4種類。計算の結果、Tiがセラミックス表面に最もなじみやすいことが明らかになりました。
そしてそれを実験で検証したところ、計算の予測通り、Tiを使った接合が圧倒的に高い強度を示しました。さらに、−55℃から150℃という過酷な温度変化を4500サイクル繰り返しても、界面に剥離は見られませんでした。
「なぜくっつくのか」を原子レベルで解明し、それを実験で証明する。最先端の技術開発とは、こういうことだと思います。
※S-DBC法を解説した3DCG動画です。
本研究はGo-Techプロジェクトの一環
本研究は、経済産業省北海道経済産業局が支援するGo-Techプロジェクトの一環として進めてきたものです。Go-Techとは、中小企業と大学・研究機関が連携して技術開発に取り組む国の支援制度です。
弊社はこのプロジェクトを通じて大阪大学と3年間にわたり共同研究を行ってきました。その積み重ねが、今回の受賞という形で結実しました。
ノーステック財団への感謝

Go-Techプロジェクトにおいて、支援窓口として弊社をサポートしてくださったのが、公益財団法人北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)です。
申請から研究推進に至るまで、いつも親身に寄り添っていただきました。この場を借りて、心より御礼申し上げます。ノーステック財団の皆さま、本当にありがとうございます。
・ノーステック財団 :支援事例でFJコンポジットを紹介
・その当時の弊社トピックス(2023.06.12)
今の時代、基板も心も強い接合が大切
銅とセラミックス。本来は異なる性質を持つ素材どうしを、強く結びつけることがこの研究のテーマでした。
人と人も、同じかもしれません。異なるフィールドにいる者どうしが、共通の目標に向かって本気で向き合ったとき、思いもよらない強さが生まれる。巽先生やノーステック財団との3年間は、弊社にとってまさにそういう時間でした。
世界が変わるきっかけは現場にあります。今後も現場ファーストで、次世代のものづくりを支えてまいります。